
「thenは『その時』という意味だと思っていたけれど、文脈によって訳し方が変わって混乱する」
「『それなら』や『それから』など、thenの使い分けを整理したい」
「than(〜よりも)とスペルが似ていて、どっちを使うべきか迷うことがある」
英語の基本単語であるthen(ゼン)。中学校で習う非常にシンプルな単語ですが、実は「時間」「順序」「論理的帰結」など、文脈に応じて4つの重要な役割を使い分ける必要があります。thenを正しく使いこなせるようになると、英語の文章や会話の「流れ」が劇的にスムーズになります。
本記事では、thenの持つ4つの主要な意味から、間違いやすいthanとの決定的な違い、そしてネイティブが日常会話で使う便利なフレーズまで、英語学習戦略の専門家が徹底解説します。
1. thenの意味:結論
thenの核心的なイメージは「ある特定の時点、または特定の条件に意識を向けること」です。
大きく分けると、「時間的な前後関係(その時、それから)」と「論理的な前後関係(それなら、その場合は)」の2つの軸があります。thenは単独で意味をなすというよりは、前後の文脈を繋ぐ「接着剤」のような役割を果たす単語です。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: thenを使いこなすコツは、「矢印(→)」のイメージを持つことです。
なぜなら、thenは常に「Aという状態からBという状態へ」という意識の移動を伴うからです。「過去のその時点(←)」を指すこともあれば、「次に行うこと(→)」、あるいは「もしAなら、次はB(A→B)」という論理の飛躍を繋ぎます。この「意識の移動」を意識するだけで、thenの訳し方に迷わなくなります。この知見が、あなたの英語の流暢さを高める助けになれば幸いです。
2. thenの4つの主要な使い方

文脈によって変化するthenの役割を、4つのパターンに整理して解説します。
① 「その時」:過去や未来の特定の時点
過去の特定の瞬間や、未来の特定の時を指します。
- 例文: I was a student then.(私はその時、学生でした。)
- 例文: See you then.(その時に会いましょう。=またその時に。)
② 「それから・次に」:動作の順序
物事が起こる順番を説明する際に使われます。
- 例文: First, wash the apples. Then, slice them.(まずリンゴを洗います。それから、スライスします。)
③ 「それなら・その場合は」:論理的な帰結
「もし〜なら(If…)」という条件に対する結果を導きます。
- 例文: If you are tired, then you should rest.(もし疲れているのなら、それなら休むべきです。)
④ 「それに・その上」:情報の追加
会話の中で、さらに情報を付け加える際に使われます。
- 例文: It’s too expensive, and then I don’t like the color.(高すぎるし、それに色も気に入りません。)
thenの4つのモードとニュアンス
| モード | 意味 | 意識の向き | よく使われる位置 |
|---|---|---|---|
| 時点モード | その時 | 過去・未来の「点」 | 文末が多い |
| 順序モード | それから | 次の「ステップ」 | 文頭・文中に多い |
| 帰結モード | それなら | 条件からの「結果」 | 文中(If節の後) |
| 追加モード | それに | 補足の「情報」 | 文中(andの後など) |
3. 徹底比較:then と than の違い
英語学習者が最も間違いやすいのが、スペルが1文字違いの than(ザン) との混同です。
📊 比較表
表タイトル: then と than の決定的な違い
| 単語 | 意味 | 品詞 | 使い方 |
|---|---|---|---|
| then | その時、それから | 副詞 | 時間や論理の繋がりを示す |
| than | 〜よりも | 接続詞・前置詞 | 2つのものを比較する |
- 間違いやすい例:
- × I am taller then him.
- ○ I am taller than him.(私は彼よりも背が高い。)
- 覚え方のコツ:
- then は Time(時間)の「e」と関連付ける。
- than は Comparison(比較)の「a」と関連付ける。
4. ネイティブがよく使う then の定番フレーズ
日常会話で頻出する、thenを含んだ便利な表現を紹介します。
- Back then: 「あの頃は」「当時は」
- 例文: Life was different back then.(当時は生活が違っていた。)
- Since then: 「それ以来」
- 例文: I haven't seen him since then.(それ以来、彼に会っていない。)
- But then again: 「でもやっぱり」「その一方で」
- 例文: I want to go, but then again, I'm tired.(行きたいけれど、でもやっぱり疲れているしな。)
- Now and then: 「時々」
- 例文: I go to the movies every now and then.(時々映画を見に行きます。)
5. まとめ:thenは文脈を繋ぐ「矢印」
thenという単語は、単独の意味を覚えるよりも、文章の中で「何と何を繋いでいるか」に注目することが重要です。
- 時間的な「点」を指すなら「その時」。
- 動作の「次」を指すなら「それから」。
- 条件の「結果」を指すなら「それなら」。
この「矢印」の感覚を身につけることで、リーディングでは文脈を素早く把握でき、スピーキングでは論理的な話し方ができるようになります。次に英文を読むときは、そのthenがどの方向を指しているか、ぜひ意識してみてください。
[著者プロフィール]
名前: 英語戦略コーチ・サトシ
肩書き: 英語学習コンサルタント / 元翻訳家
専門領域: 英文法・語彙のイメージ化、ビジネス英語のロジック構築、効率的学習メソッド
主な実績: 10年以上の英語指導経験を持ち、延べ2,000人以上のビジネスパーソンの英語力向上を支援。単なる暗記ではなく「ネイティブの感覚」を言語化する解説に定評がある。
[参考文献リスト]
- Oxford Learner's Dictionaries - then
- Cambridge Dictionary - then vs than
- 『一億人の英文法』 大西泰斗・ポール・マクベイ 著 (ナガセ)













