
「焼肉屋でよく見る『マルチョウ』って、牛のどの部分のこと?」
「脂がたっぷりで美味しそうだけど、いつも焼きすぎて小さくなってしまう……」
「コプチャンやシロコロとは何が違うの?」
口の中でとろける脂の甘みと、ぷりぷりとした食感がたまらないマルチョウ。ホルモンの中でも絶大な人気を誇る部位ですが、その正体や「正解の焼き方」を正しく知っている人は意外と少ないものです。
本記事では、マルチョウの部位としての特徴から、似た名前の部位との決定的な違い、そして脂の旨味を逃さないプロ直伝の焼き方まで、焼肉コンシェルジュが徹底解説します。
1. マルチョウとは:結論
マルチョウとは、牛の小腸を筒状のまま裏返し、脂を内側に閉じ込めた部位のことです。
本来、小腸の外側に付いている脂を、洗浄した後に「くるり」と裏返すことで、焼いた時に脂が逃げ出さず、口の中で一気に溢れ出すジューシーな仕上がりになります。その丸い形状から「丸腸(マルチョウ)」と呼ばれており、ホルモンの中でも特に脂の甘みを強く感じられるのが最大の特徴です。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: マルチョウを注文する際は、「カットの大きさ」と「洗浄の丁寧さ」に注目してください。
なぜなら、マルチョウは脂が主役の部位であるため、下処理が不十分だと独特の臭みが残りやすく、逆にカットが小さすぎると焼いた時に脂が溶け落ちて「皮だけ」になってしまうからです。信頼できる店では、脂の白さが際立ち、ふっくらと厚みのある状態で提供されます。この知見が、あなたのホルモン選びの助けになれば幸いです。
2. マルチョウ・コプチャン・シロコロの違い
名前が似ていて混同されやすい部位との違いを整理しました。
マルチョウと似たホルモン部位の比較
| 部位名 | 動物・場所 | 形状の特徴 | 味わいの特徴 |
|---|---|---|---|
| マルチョウ | 牛・小腸 | 裏返して筒状にしている | 脂の甘みが最強。非常にジューシー。 |
| コプチャン | 牛・小腸 | 開いて平たくしている | マルチョウと同じ部位だが、脂は控えめ。 |
| シロコロ | 豚・大腸 | 筒状のまま(厚木名物) | 弾力が強く、牛よりもさっぱりしている。 |
| シマチョウ | 牛・大腸 | 開いており、表面に縞模様 | 脂に加えて、皮のコリコリ感が楽しめる。 |
「マルチョウとコプチャンは同じ『牛の小腸』ですが、筒状のまま(マルチョウ)か、開いているか(コプチャン)という加工の違いで呼び名が変わります。」
3. 脂を逃さない!プロが教える「マルチョウの焼き方」

マルチョウを焼く時に最も多い失敗は「脂をすべて火に落としてしまうこと」です。以下の手順で、旨味を閉じ込めましょう。
- 皮目から焼く: 網に乗せる際は、まず「皮(外側の薄い膜)」の面を下にして焼きます。
- 脂を温める: 皮がこんがりと色づき、内側の脂が熱で「ぷくっ」と膨らんでくるのを待ちます。
- 仕上げのひと転がし: 脂が透明になり、中心まで熱が通ったら、最後にサッと裏返して脂の面に焼き色をつけます。
- 食べごろ: 脂が沸騰し、表面がキツネ色になった瞬間が最高の食べごろです。
4. マルチョウの栄養とカロリー
脂が多いため高カロリーなイメージがありますが、実は美容に嬉しい成分も含まれています。
- コラーゲン: 皮の部分には豊富なコラーゲンが含まれており、美肌効果が期待できます。
- ビタミンB12: 貧血予防や神経機能の維持に役立つ栄養素です。
- カロリー: 100gあたり約280〜300kcal。カルビ(約400〜500kcal)と比較すると、意外にも低めですが、食べ過ぎには注意が必要です。
5. まとめ:マルチョウの「脂の芸術」を楽しもう
マルチョウは、その独特の構造を知ることで、美味しさが何倍にも膨らむ部位です。
- マルチョウは牛の小腸を「裏返した」もの。
- コプチャンとの違いは「筒状か、開いているか」。
- 「皮からじっくり、脂はサッと」が最高の焼き方。
次回の焼肉では、ぜひこの焼き方を実践してみてください。網の上でふっくらと膨らむマルチョウの姿は、まさに「脂の芸術」。噛んだ瞬間に溢れ出す甘い脂の幸せを、存分に味わってください。
[著者プロフィール]
名前: 焼肉コンシェルジュ・肉丸
肩書き: 食肉卸売アドバイザー / ホルモン研究家
専門領域: 牛・豚の副産物(ホルモン)の品質評価、希少部位の調理法、焼肉店の仕入れ支援
主な実績: 15年にわたり食肉業界に従事。全国300軒以上の焼肉店を巡り、部位ごとの最適なカットと焼き方を研究。SNSでの「ホルモン講座」は初心者にも分かりやすいと評判。
[参考文献リスト]
- 公益社団法人 日本食肉消費総合センター - 牛肉の部位解説
- 『焼肉の教科書』 (宝島社)
- 農林水産省 - 牛肉の個体識別情報と部位の特徴












