
「ネクタイほど堅苦しくしたくないけれど、首元にアクセントが欲しい」
「ループタイはおじさん臭いイメージがあるけれど、おしゃれに使いこなすコツは?」
「ボロタイとループタイ、何が違うの?正しい付け方を知りたい」
独特のレトロな雰囲気と、紐をスライドさせるだけで調整できる利便性が魅力のループタイ。日本では昭和の時代に大流行したため「年配の男性がつけるもの」という印象が強い時期もありましたが、近年ではヴィンテージファッションの再評価やハイブランドの採用により、性別や世代を問わない「洗練されたアクセサリー」として再注目されています。
本記事では、ループタイの基本的な知識から、現代のファッションに馴染ませるための「脱・おじさん」スタイリング術、そして素材別の選び方まで、メンズファッションとアクセサリーの専門家が徹底解説します。
1. ループタイ(ボロタイ)とは:結論
ループタイとは、紐状のネクタイの一種で、装飾の付いた「スライド(留め具)」を上下に動かして首元を固定するアクセサリーのことです。
アメリカでは「ボロタイ(Bolo Tie)」と呼ばれ、アリゾナ州などでは公式の州タイとして認められているほど歴史のあるアイテムです。一般的なネクタイのような結び目の窮屈さがなく、シャツの襟元を緩めた状態でも、あるいはTシャツの上からでも自由に位置を調整できる「リラックスしたエレガンス」が最大の特徴です。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: ループタイをおしゃれに見せる最大の秘訣は、「スライドの位置」と「シャツの襟の形」のバランスにあります。
なぜなら、ループタイをネクタイと同じように第一ボタンの位置までキッチリ上げてしまうと、どうしても「昭和の公務員」のような古臭い印象になりやすいからです。現代的な着こなしでは、第一ボタンを外し、スライドを少し下げた位置(鎖骨のあたり)に配置することで、首元に「抜け感」が生まれ、アクセサリーとしての魅力が引き立ちます。この知見が、あなたのコーディネートを格上げする助けになれば幸いです。
2. なぜ「ダサい」と思われる?おじさん臭さを回避する3つのポイント
ループタイが「ダサい」と誤解される原因は、アイテムそのものではなく、多くの場合「合わせ方」にあります。以下の3点を意識するだけで、印象は劇的に変わります。
① 素材のアップデート
昔ながらの「メノウ(石)」や「金メッキ」の重厚すぎるデザインは、難易度が高めです。現代的なシルバー、レザー、あるいはミニマルなメタルパーツを選ぶことで、洗練された印象になります。
② シャツの選択
ビジネス用のカチッとした白シャツに合わせると、アンバランスさが際立ちます。デニムシャツ、リネンシャツ、あるいは開襟シャツ(オープンカラーシャツ)など、少しカジュアルな素材感のシャツと合わせるのが正解です。
③ 全体のシルエット
ループタイは縦のラインを強調するアイテムです。オーバーサイズのトップスや、古着ミックスのスタイルに取り入れることで、ループタイの持つレトロな個性が「あえてのハズし」として機能します。
ネクタイとループタイの比較
| 比較項目 | ネクタイ | ループタイ(ボロタイ) |
|---|---|---|
| フォーマル度 | 非常に高い(冠婚葬祭・ビジネス) | カジュアル〜セミフォーマル |
| 装着のしやすさ | 結ぶ技術が必要 | スライドさせるだけで簡単 |
| 首元の圧迫感 | 強い | ほとんどない |
| 主な素材 | シルク、ポリエステル | レザー、シルバー、天然石、真鍮 |
| 演出できる印象 | 誠実、規律、プロフェッショナル | 個性的、リラックス、ヴィンテージ感 |
3. 現代的なループタイの選び方と素材の種類

ループタイの印象は、中央の「スライド」と紐の先端の「アグレット(剣先)」で決まります。
- シルバー・インディアンジュエリー系: 本場アメリカのスタイル。ターコイズなどが埋め込まれたものは、アメカジや古着スタイルに最適です。
- ミニマル・メタル系: シンプルな円形や四角形の金属パーツ。モードな服装や、現代的なセットアップのアクセントに馴染みます。
- レザー・コード系: 紐自体に特徴があるもの。ネックレス感覚でTシャツに合わせるなど、最もカジュアルに使いやすいタイプです。
4. シーン別・ループタイの着こなし例文
ループタイを日常に取り入れる際の具体的なイメージです。
- 休日のカフェ巡りに:
「ネイビーのリネンシャツに、シルバーのシンプルなループタイを合わせる。スライドを少し低めに設定することで、ネックレスのような軽やかさを演出できます。」 - クリエイティブな仕事の打ち合わせに:
「黒のタートルネックニットの上に、あえて大ぶりのヴィンテージ風ループタイを装着。首元に視線を集めることで、個性的で知的な印象を与えられます。」 - 古着屋巡りのスタイリングに:
「色褪せたデニムジャケットのインナーにチェックシャツを着て、ターコイズのループタイをプラス。アメカジの王道スタイルが完成します。」
5. まとめ:ループタイで自分らしいスタイルを
ループタイは、ネクタイの「規律」とネックレスの「自由」を併せ持った、稀有なアクセサリーです。
- 「おじさん臭さ」は、スライドの位置を少し下げるだけで解消できる。
- シャツの素材や全体のシルエットをカジュアルに寄せるのが成功のコツ。
- 自分のスタイル(モード、アメカジ、レトロ)に合った素材を選ぶ。
「みんなと同じネクタイ」に飽きたなら、ぜひループタイを手に取ってみてください。紐をスライドさせるその一動作が、あなたのファッションに新しいリズムと、自分だけのこだわりを吹き込んでくれるはずです。
[著者プロフィール]
名前: 滝沢 誠(たきざわ まこと)
肩書き: メンズファッション・スタイリスト / ヴィンテージ・アーカイブ研究家
専門領域: アクセサリーを用いたスタイリング提案、1950〜70年代のメンズファッション史、現代的なビジネスカジュアルの構築
主な実績: アパレルブランドのカタログスタイリングや、メンズファッション誌での連載を10年以上担当。ループタイを含む「クラシック・アクセサリー」の現代的解釈において、多くのフォロワーを持つ。
[参考文献リスト]
- Arizona State Library - Official State Neckwear: The Bolo Tie
- 『男の服飾事典』 (朝日新聞出版)













