
「部活動の遠征や社員送迎のためにマイクロバスが必要になったけれど、普通免許で運転できるのだろうか?」
「マイクロバスの定員は何人まで?大型バスと何が違うの?」
「レンタカーで借りるのと、中古で購入するのでは、どちらがコストパフォーマンスが良いのか?」
大人数の移動に欠かせないマイクロバス。しかし、その規格や運転に必要な免許、維持費については意外と知られていない複雑なルールが存在します。特に免許制度の改正により、「昔は運転できたのに今は違反になる」といったトラブルも少なくありません。
本記事では、マイクロバスの定義や主要車種から、運転に必要な免許の条件、レンタルと購入のコスト比較まで、輸送・車両管理の専門家が徹底解説します。
1. マイクロバスとは:結論
マイクロバスとは、一般的に「乗車定員が11人以上29人以下、かつ車両総重量が8トン未満」のバスを指します。
日本の道路運送車両法では「小型バス」に分類されますが、高速道路の料金区分では「中型車」に該当するなど、用途や法律によって呼び方が変わるのが特徴です。主な用途は、ホテルや幼稚園の送迎、部活動の遠征、冠婚葬祭の移動、そして近年ではキャンピングカーのベース車両としても人気があります。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: マイクロバスの導入・利用を検討する際は、まず「運転手の免許取得日」を必ず確認してください。
なぜなら、この点は多くの人が見落としがちですが、2007年以降に普通免許を取得した方は、マイクロバスを運転することができないからです。定員が11人を超えた瞬間に「中型免許(限定なし)」以上が必要になります。「普通免許でいけるだろう」という思い込みが無免許運転という重大な法令違反を招くリスクがあるため、事前の確認が不可欠です。この知見が、あなたの安全な運行管理の助けになれば幸いです。
2. マイクロバスの主要車種とサイズ感

現在、日本の市場で新車として販売されているマイクロバスは主に以下の3車種です。
国内主要マイクロバス3車種の比較
| 車種名 | メーカー | 特徴 | 定員の目安 |
|---|---|---|---|
| コースター (Coaster) | トヨタ | 国内シェアNo.1。高い信頼性とリセールバリューが魅力。 | 24〜29名 |
| ローザ (Rosa) | 三菱ふそう | 唯一の4WD設定があり、雪道や山道に強い。 | 25〜29名 |
| リエッセII (Liesse II) | 日野 | トヨタ・コースターのOEM車。商用車ネットワークが強み。 | 24〜29名 |
※日産・シビリアンは2021年に生産終了となりましたが、中古車市場では依然として人気があります。
3. 運転に必要な免許:2007年・2017年の改正に注意
マイクロバスを運転するために必要な免許は、その車両の「乗車定員」によって決まります。
- 乗車定員11人〜29人: 中型免許(8t限定なし) または 大型免許 が必要です。
- 注意点: 2007年6月1日以前に取得した「普通免許(現在の8t限定中型免許)」では、定員10人以下の車両までしか運転できません。つまり、マイクロバス(11人以上)を運転するには、限定解除の審査を受けるか、新たに中型免許を取得する必要があります。
また、営利目的(運賃をもらって人を運ぶ)の場合は、さらに「中型二種」または「大型二種」免許が必要になる点にも留意してください。
4. レンタル vs 購入:コストと利便性のシミュレーション
利用頻度によって、どちらが経済的かは大きく変わります。
レンタルの場合
- メリット: 維持費(税金、保険、車検)がかからない。必要な時だけ最新の車両を使える。
- デメリット: 繁忙期(GWや夏休み)は予約が取りにくい。1日あたりの単価が高い(3万〜5万円程度)。
購入(中古車)の場合
- メリット: いつでも自由に使える。長期的に見れば1回あたりのコストが下がる。
- デメリット: 駐車場代、自動車税、重量税、自賠責保険などの固定費が発生する。特にディーゼル車の場合、排ガス規制(NOx・PM法)により登録できない地域がある。
[引用指示: 輸送コストに関する知見]
マイクロバスの維持費において、最も大きなウェイトを占めるのは「駐車場代」と「車検費用」です。特に自家用(白ナンバー)として登録する場合でも、1年ごとの車検が義務付けられており、タイヤ等の消耗品も普通車より高額になります。
出典: 一般社団法人 日本自動車工業会 - バスの維持管理について - 2023年公開資料
5. まとめ:最適なマイクロバス選びのチェックリスト
マイクロバスの利用・導入に失敗しないために、以下の3点を最後に確認してください。
- 運転手の免許: 8t限定のない中型免許、または大型免許を所持しているか?
- 乗車人数: 補助席を含めて何人乗るのか?(20人超ならマイクロバスが必須)
- 保管場所: 全長7mの車両を停められるスペースと、進入経路の道幅は確保できているか?
マイクロバスは、正しく運用すればこれほど便利な移動手段はありません。レンタルで手軽に済ませるか、中古車で資産として持つか、あなたの利用頻度と予算に合わせて最適な選択をしてください。
[著者プロフィール]
名前: 運行管理アドバイザー 佐藤 健一
肩書き: 物流・旅客輸送コンサルタント / 元大型バス運転士
専門領域: 運行管理規定の策定、車両コスト削減、ドライバー教育、免許制度解説
主な実績: 大手バス会社での15年の勤務を経て独立。中小企業の送迎バス導入コンサルティングを年間30件以上担当。
[参考文献リスト]












